スターリングエンジンを用いた用途開発とエンジニアリング
プロマテリアルはスターリングエンジンの特長である様々な燃料・熱源を適用可能であるということにフォーカルをあわせ、これまでにクライアントの皆様へ技術提案および事業化に貢献してまいりました。具体的には焼却炉や焼成炉の排熱を利用し発電する排熱利用システム、バイオマスエネルギーを活用したバイオマス発電システム、太陽光をレンズで集め発電する太陽熱発電システムの事業を手がけてまいりました。
排熱利用システム
図1.K製作所様 排熱発電試験の様子
スターリングエンジンが活用される理由
多くの工場では、製品の加工の際に利用した多大な“熱”を再利用・リサイクルできずに大気中に放出しており、燃料のロスとCO2排出が生じています。エンジニアリング技術上の課題として、利用できる排熱も限定されているため、十分な排熱利用が困難な状況も生じております。付帯設備スペースの確保やそれに関する導入コスト、そしてオペレーショナルコスト、部品点数が多い、発電機の重量等が課題になります。
プロマテリアルが提案する排熱モデルは今まで再利用が困難であったファシリティにおいても“熱”を使ってスターリングエンジンを回し、エネルギーを電力(+温水)として回収します。下の図は窯業・土石製品製造業での焼成ラインにおける排熱回収のイメージ図です。
図2.窯業・土石製品製造業での焼成ラインにおける排熱回収のイメージ
バイオマス発電システム
図3.バイオマス発電のイメージ
スターリングエンジンが活用される理由
バイオマスは基本的には熱利用目的が多く、日本国内ではペレットストーブが用いられています。バイオマスを発電に用いるためにはガス化しタービンにて発電するという手法がとられていますが、ガス化といった前処理施設やバイオマス燃料源によっては腐食ガスを除去するなどの手段を講じなければならず、コストも施設ボリュームもかさんでしまうのが現状です。
プロマテリアルが提案するバイオマス発電システムはそうした施設ボリュームやコストといった投資判断基準をクリアしており、スターリングエンジンを適用させるための課題であった、受熱部への灰や煤の付着対策、温度コントロールといった課題へのアプリケーションを開発いたしました。
バイオマスガスの活用提案
バイオマスの中には畜糞発酵によるメタンガスなどの利用も重要なソースとなっています。また廃棄物等のメタンガスも有用な資源となります。現状の課題としましては、バイオマスガスの利用に際しましては、十分なガス精製がなされていなければカロリーが不均一であったり、ローカロリーのガスによる失火も考えられます。
ガス精製といったプラントを建設できる事業であればこのような問題は起こりませんが、基本的にはバイオマスガスを抽出できるサイトは農村部となり、十分な施設建設が見込めるような地域ではありません。そこでプロマテリアルは広島大学石塚教授の監修のもと、環状バーナーを用いることにより、ローカロリーのガスでも十分に燃焼し、またガスの燃焼効率を格段に向上させることに成功いたしました。 スターリングエンジンを用いたバイオマスガス発電への応用も確認済みです。
図4.燃焼器:管状火炎バーナー
ローカロリーガスでも失火せずに燃焼できる特殊なバーナー 開発協力:広島大学石塚教授
ローカロリーガスでも失火せずに燃焼できる特殊なバーナー 開発協力:広島大学石塚教授
太陽熱発電システム
図5.太陽熱発電システムのイメージ
システムの特長
スターリングエンジンを使用した場合、20%以上の発電効率が期待でき、通常のソーラー発電と比較してアドバンテージがある。温水の利用も可能な場所では、更に総合効率を上げられる
エンジンは、量産時に約15万円/台まで価格を落とすことが可能。レンズやフレームと組み合わせても、既存の太陽光発電の1/2程度までコストを落とすことが可能だと思われる。
国内の平地や離島での使用、電力事情の悪い海外の電力確保に利用
平地や建物の屋上、離島部など、日照を確保できる場所で活用できます。より効率を高めるには、晴天率が高く、日照時間が長く、日差しが強い環境が相応しいため、最終的には海外での本格的な展開を計画しています。
従来の太陽光発電が不得意な赤道直下への設置
従来のソーラー発電を、電池が高温になってしまう赤道直下で使用すると日光の強さに相反して効率が低下してしまいます。しかし、そこは私達の太陽熱発電には適した環境であり、より広いエリアへの設置が可能だと言えます。赤道直下の東南アジアや中東の砂漠・南米などでも有効活用ができるシステムです。